売れる接客・販売員は必ずお客さんの心を理解している。

前回の記事で、接客・販売の初心者が陥りがちな悩みを話しました。
その中で、「お客さんの気持ちがわからない」という項目が出てきました。
今回はそのことに関して話しますね。
 
まず接客業としてはお客さんの気持ちがわからないと、何も前に進みません。
だってお客さんの気持ちがわからないと、お客さんが何をして欲しいかもわかりません。
さらになんでお客さんが今自分の店に来ているのか、それすらもわからないでしょうね。
 

 

 
それらが分からなければどんな会話をしたって意味がありません。
ただただ時間が過ぎるだけです。
あなたの販売活動に何にも貢献しません。
 
対して、売れる接客・販売員はたとえ日常会話をしていても必ず自分の販売活動につながるように会話をしています。
なぜそれができるようになるかと言うと、そうするよう意識してるからです(慣れもありますが)。
 
意識できるようになるにはやり方があります。
実際にはやり方と言うより考え方と言ったほうが正しいですかね。
お客さんと話をしているときに、頭の中で考えながら行動に移すのです。
そうすると、お客さんの心が読めるようになります。
 
お客さんの心を読むことを、僕は文脈を読むと言っています。
 
なぜ『文脈を読む』に置き換えるのか、それは今の自分は過去の自分の写し鏡だからです。
 
今持っている気持ち。今持っている持ち物。今ある自分の姿。それは全て過去からの積み重ねのものです。
だからお客さんの過去を知ることが、お客さんの文脈を知ることにつながるのです。
 
そしてその文脈を知ると、お客さんの要望を手に取るように知ることができます。
 
過去のことといってもそんなに前の事では無いですよ。
今朝起こったトラブルが原因で来店しているお客さんもいることでしょう。
 
要はできるだけ、来店するに至った理由の過去。それを見つけることが大事なのです。
 
では次の項目から、売れる販売員がしている「お客さんを知る方法」を解説します。
 

売れる接客・販売員はお客さんのストーリーをたくさん持っている

 
 
あなたの職場の上司に、「こういったお客さんはどうしたらいいですか?」というふうに質問をしたらすぐさま見事な回答してくれる先輩はいませんか?
もしそんな方がいたら、初心者のあなたは、その先輩を頼りにすることをお勧めします。
なぜならば、その方はお客さんのストーリーをたくさん持っている人だからです。
 
まず初心者のあなたにして欲しい事は、お客さんが来店してから商品を購入するまでのショートストーリーをたくさん持つことをしてほしいと思います。
 
いわばそれは接客や販売の台本のようなものです。
台本の数は、あればあるだけ良いです。
その台本の数だけ、いろんなパターンの販売ができるようになるということです。
 
そんな!台本通りになんか行かないよ!と思いますか?
 
そんなことありませんよ。
それに対する私の反論は2つあります。
 

全ては台本の上の出来事に過ぎない

 
あなたが取り扱っている商品は、ある一定のターゲットに向けて作られているという事実があります。
すでにあなたの販売活動が、ある台本の上に乗っているのです。
台本の上の出来事なのですから、前提条件の台本の存在を覆すことはできません。
 
もっと詳しく説明します。
 
ペルソナという言葉をご存知ですか?
 
 
ペルソナとは、自社のサービスを好んで使いそうな人間像です。
「こんな人がうちの商品好きそうだよねー」とかそういった話題にのぼる人です。
 
このブログも、接客・販売業の初心者の方に読んでもらいたいなと思って書いています。
 
もしあなたが自分の接客・販売を向上させたくてこのページを読んでくれているとしたら、私のペルソナ設定は正しいものだったということになります。
 
商品開発をする段階で、ある程度台本はできあがっているんですね。
あなたの販売活動も、ペルソナが商品に出会いそして「いいな!」と思い購入に至るまでの台本上のできごとに過ぎないのです。
 
あなたはお客さんに日々商品を売っていますよね?
そのお客さんは、商品開発の段階でターゲットとして設定された人である可能性が高いです。
 
もちろん初めにターゲットとして設定した人以外が好んで商品を買ってくれる可能性もあります。
しかし大抵のターゲティングは当たるものです。
 
そこであなたがしないといけないことは、より実戦的な台本を書くことです。
 
やはり商品開発の人より普段お客さんと接しているあなたの方が、よりお客さんの好みについて知っている可能性は高いです。
 
だから現場のあなたが再度、その商品をどんな人が好むのかということについて再定義することが必要です。
だからあなたには台本が必要なのです。
あなたが作っている台本はあなた自身のマーケティングです。
 

台本は楽譜だ!

 
台本には人の感情が入っています。
台本はセリフの羅列だと思っていませんか?
違います。台本は人の感情の動きです。
 
台本はお客さんの心の動きを赤裸々に描いたストーリーなんです。
はじめは不安を感じながらも、お店に来店してくれたお客さん。
あなたが対応して、あなたの丁寧な説明に納得して、そして商品の購入に至る。
 
そこに至るまでにはお客さんの喜怒哀楽が山ほど入っています。
人は決断するとき、感情に従うものです。
 
商品購買に至る感情の流れとして、不安→安心→信頼という感情の流れがあります。
 
そういった感情の変化を知ることが台本の役目です。
 
あなただって自分が買い物するときそうではないですか?
いろんな感情の動きがあるはずです。
 
いわばそういった感情の動きも傾向の1つです。
 
音楽をやっている人にわかりやすく言い換えると、コード進行と同じなんです。
このコードが来たら次はこのコード。そしてその後このコードを持ってくると非常に盛り上がる。という流れがありますよね。
 
良い音楽に規則性があるように、よい接客・販売にも規則性があります。
 
台本を作ろう
 
以上のことから、台本を作る事はあなたが接客を学ぶにあたって非常にメリットのあることなんです。
そして同時にいろんな台本を作ることができるようになると、いろんな接客に応用ができるようになります。
あなた以外の同僚やあなたの後輩が悩んでいる時も、台本を作った経験が活きてきます。
 
だから初心者のあなたにまずはじめにして欲しいのは、お客さんが来店してから購買に至るまでのショートストーリーをたくさん作ることです。
 
では今からそのショートストーリーをどのように作っていくのか、それを解説します。
まずはお客さんを知ることからです。
 

売れる接客・販売員はお客さんのを知ることに全力を尽くす

 

お客さんを知る1歩目:クラスタ分析

 
あなたはクラスタという言葉をご存知でしょうか?
クラスタとは、似通った特徴を持った集団のことです。
 
お客さんは違うように見えて、似た人が来てたりするんですよね。
まぁみんながみんな同じと言うわけでは無いんですが、ある程度分類ができるんです。
 
分類すると、どんないいことがあるでしょうか。
共通した売り方が通用するという”傾向”を掴むことができます。
この傾向を掴むとはやり方を学ぶ一歩目です。
 
売れる接客・販売員になるには、”やり方”をつかめといいました。
やり方をつかむと言う事は、あらゆる場面に応用できるようにその法則を学ぶと言う事です。
だから、お客さんを分類して傾向をつかむと言う事は、やり方を学ぶこととそっくりなのです。
いわば、やり方を学ぶ上で1番役にたつトレーニングです。
 
この項目はすごく大切なところです。
必ずマスターできるようにしっかり学んでください。
 
ではクラスタ分析にかんして話を進めましょう。
クラスタというのは、以下の図のような状態です。
 

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点がある範囲に固まってますよね?
点の位置は縦軸と横軸の組み合わせで決められます。
 
この図を使って説明します。
この点達は、あなたが販売している商品が好きな層です。
この範囲を外れた点は、あなたの販売している商品にまったく興味のない人たちです。
この点たちはほおっておきましょう。
 
あなたがすることは、考えることです。
クラスタ内の人にどのように伝えるのがベストなのか。
あなたの商品の魅力について。
 
例えば車の販売業で外車が好きなクラスタには、国産車との違いを話します。
例えば肌に優しい化粧品が好みなクラスタには、安物の化粧品との違いを話します。
 
このようにクラスタはあなたの取り扱っている商品が好きな層です。
この◯で囲った範囲内の人は、同じ好みを持った似た者同しなのです。
 
同じクラスタでも好みの違いがある?
 
この表の◯で囲った部分はひとまとまりにの集団です。
ですがより正確に言いますと、集団ではあるが適度にばらけていますよね?
この事実が何をものがたるでしょう?
 
同じように見えても、個々は少しずつ違うと言うことです。
 
それがあなたの接客・販売活動になんの影響があるのか?
 
それはあなたも既に実感したことがあるはず。
あなたの商品が好きそうにみえて、話してみたら違った人はいませんか?
そう!その状態です。
好きそうだけど、ギリギリのラインで好きじゃなかったのです。
おそらく、クラスタの◯のギリギリ内側か外側にいる人でしょう。
 
要は予想が外れたと言うことなんです。
クラスタ分析があてにならないと思いますか?
 
違います。
クラスタの中のちょっとした違いに気付けなかったんです。
ぼくも未だにやらかします。
 
対策は案外簡単ですよ。
精度を高めたらいいんです。
 
クラスタの傾向と、あなたの予測の精度を高めるんです。
そうしたら予測が外れることは少なくなります。
 
そのためのトレーニングとしてお客さんの要素の分解を行います。
予測が外れるのは小さな要素に気づかなかったことが原因です。
だから分解していきましょう!
 

お客さんを知る2歩目:事実をできるだけ収集する

 
同じ好みの人間でも、要素の違いによって出す結論が違います。
それはお客さんが持っている事実によるんです。
 
事実とは何か?
例えば男性。
女性。
福岡にすんでいるとか。
東京にすんでいるとか。
若い人。
高齢の方。
上記のようなことがお客さんが持っている事実です。
 
『あなたの話はお客さんの事実と比べて違和感はないですか?』
この言葉だけだとよくわかりませんよね。
 
外国車が好きそうなクラスタがあったとします。
そのクラスタの中から、ご高齢の方が来店されました。
そのご高齢の方に、外車がすきというだけで市松模様のMINIクーパーを勧めました。
十中八九、「派手すぎるからベンツかBMWにしてくれ」と拒まれます。
 
実感できました?
自分で話していても、さすがに違和感を覚えます。
同じ”外車が好き”というクラスタの中でも、MINIクーパーが好きなのは断然女性でしょう。
だから同じ部類の商品でも相手によって違和感を覚えます。
それは体感的にわかるのでその感覚を大事にしてください。
 
つまり、お客さんの好みの傾向と事実に違和感がないかよく確認するとこが大切なんです。
 
 
事実を集めることは傾向との確認に使えます。
一方、お客さんの新たな好みを見つけるのにも役立つんですよ。
 
次の項はそれについて話します。
 

お客さんを知る3歩目:事実を組み合わせて新たな傾向を発見する

 
分解したは事実は新たな好みを発見するのにも役立ちます。
組み合わせることで無限大に広がるのです。
 
例えばあなたがiPadを売っている販売員だとします。
今日も「だれかiPad買ってくれないかな〜」と待っていました。
 
あ!お客さんがやってきました。
男性のお客さんです。
 
でも「男性」というだけでは、どうiPadを勧めたらいいのかわかりません。
年齢を付け加えてみたらいかがでしょう?
 
20代、もしくは40代。
どのようにタブレット訴求したらいいか見えてきましたか?
 
40代の方は車を持っている可能性があります。
という事は「iPadをカーナビ代わりに使う」という勧め方ができます。
 
それに比べて20代の方は車を持っている可能性は少ないです。
年代的に車が好きな方が少ないからですね。
 
そういった方にはiPadで動画を見たり、パソコンの代わりに使ったりといった勧め方になります。
このように要素を組み合わせることで、いろんなお客さんの好みや傾向がつかめるようになるんです。
 
実際の接客の場ではこんな風にひとつひとつ考えながらする時間はないでしょう。
全ては同時進行で進みます。
 
お客さんの質問に答えながら、事実の確認や組み合わせで傾向を探る。
これを同時進行でやっていかないといけません。
 
慣れないうちは頭の中がいっぱいいっぱいになってしまうと思います。
それでも不思議と慣れるものです。
普段から意識してやったらですね。
 
頭の中で言語化しなくても、絵を思い浮かべるようにできるようになりますよ。
 

お客さんを知る事のまとめ:クラスタと事実の間をいったりきたりすると、ショートストーリーを無限に作れる

 
 
ここまでのやり方を実践したら、お客さんのことがかなりわかるようになります。
 
今までの説明は全て接客・販売の台本を作るためにあります。
台本はあればあるだけあなたの接客・販売の幅を広げます。
そして、イレギュラーなお客さんがきても台本をちょっと変えるだけでアドリブ対応できるようになるのです。
 
売れる接客・販売員は、間違いなく頭の中に台本をたくさん持っています。
 
 
 

全体のまとめ:売れる販売員になるには、暇な時間にとにかく台本作りに専念するんだ!

 
 
大変長くなりましたがここまで読んでいただいてありがとうございました。
初心者の時はいろいろ覚えることがあって大変だと思います。
でも、接客・販売員としての1番大切な仕事はなんでしょう?
それは自社の商品を販売することですね。
そのために1番大切なのは売り方勉強することなんです。
 
販売員としては売れるようになったら勝ったも同然です。
最近は年次よりも実績を重視する会社も増えたのではないでしょうか。
あなたが売れるようにさえあれば、会社での見え方も変わるはずです。
あなたがする仕事も変わってきます。
 
いろんなことを覚えている最中だとは思いますが、まず初めに学ぶべきなのは売り方です。
どのようにして自分の会社の商品を販売するか、その売り方を考えることなんです。
 
あなたが1日でも早く売れるようになることを願います。
 
次の記事ではお客さんがどういった気持ちでものを買うのかについて話します。
人が物を買うときの気持ちや、決断するタイミングについて詳しく話しますね。
 
ではお楽しみにこれからもよろしくお願いします。